メールマガジンとっとり雑学本舗


第173号(2002年04月26日)「とっとり豆知識」より


 ●モサエビ VS ガラモサ

   「モサエビ」という名のエビをご存じですか?秋から初夏までの山陰地
  方での珍味です。時期的に、「松葉がに」のシーズンとダブルものですか
  ら、松葉がにの影に隠れた存在ですが、一度食べるとほとんどの方がとり
  こに。

   以前は、松葉がにを獲るために、底曳き網のなかに混ざって獲れていた
  ようですが、最近では値もよくなったためか、モサエビ漁として漁が盛ん
  になりました。地元でもかなり値が高くなってきたような気がします。県
  東部では、この時期、春まつりのご馳走の一つとして、このモサエビがよ
  く登場します。

   もともと、モサエビの名は、あまり評判がよろしくない「モサ」という
  言語が使用してあり、「ザコ」と同様の意味だったようで、昔は肥料とし
  て使用された時代もあったようです。ハタハタや赤ガレイの漁獲量が落ち
  た穴埋めにこのモサエビ漁がはじまったとも言われています。

   エビの甘さを十分に堪能できる刺身が一番人気があるようですが、この
  時期は、腹一杯に抱いている緑色の卵を活かさない手はありません。この
  卵も刺身で食べられますが、地元の漁師さんから聞いたお薦め料理方法は
  なんといっても、みそ汁です。みそ汁にすると、緑色の卵が黄色に変化。
  まるで信号機ではありませんが、本当に美味な出汁と相まってこたえられ
  ない味ですよ。一度お試しください。

   たいていのかたは、モサエビをご存じかもしれませんが、あまり知られ
  ていないのが、「ガラモサ」の存在。山陰地方では、この季節に水揚げが
  多く、またモサエビに比べると値段が安いので、隠れた人気物となってい
  ます。私がはじめて魚屋で見たとき、モサエビによく似ているのに少し色
  が濃いので、「古くなったモサエビですか?」と尋ねてしまいました。

   なぜ、このガラモサ、こんな名前になってしまったんでしょう。なんと
  なく、「がら」を食べるようで、イメージが悪いんですが、モサエビほど
  身がしまっていないようで、値段も安いようです。また、卵を抱えている
  ものがモサエビに比べ少ないようです。

   一目ではなかなか区別しにくいのですが、やや色合いがモサエビに比べ
  濃い感じがします。それもそのはず、モサエビの住処は水深250〜27
  0メートルの砂泥底に生息。水深300メートルより深いところに生息す
  るのがガラモサなのです。

   モサエビの正式名称は「クロザコエビ」、ガラモサは、「トゲクロザコ
  エビ」。いずれもエビジャコ科に属します。体長は12センチほど。日本
  海からオホーツク海、ベーリング海、北米太平洋岸まで分布。正式名称も
  食指をそそるとは言い難いですよねえ〜。

   毎週日曜日に、賀露や網代の市場近くの魚屋さんを巡回するのが、私の
  趣味なんです。おかげで、安くていい魚が入ると電話がかかってきて、魚
  屋さんへ直行。こんな週末をすごしてます。もちろん、私が調理します。
  我が家では、モサエビは刺身とみそ汁。ガラモサは醤油煮付けに。子ども
  たちの大好物です。

   ほんとに美味な「モサエビ」と「ガラモサ」。一度食べ比べてみられて
  はいかが。今が旬ですよ。

   また、水がにを「若松葉」と呼んだようにネーミングを考えるのも、一
  つの考え方かもしれません。「ウマエビ」と「深ウマエビ」でどうかなあ
  〜。
                                (A)