メールマガジンとっとり雑学本舗


第198号(2002年07月26日)「きょうの鳥取県」より

 ●あおや和紙工房オープン

   何かのご縁でしょうか、当本舗200号記念号となる8月2日(金)、
  鳥取県東部に位置する青谷(あおや)町に、和紙の伝統工芸を生かした新
  たなスポットが誕生します。その名も「あおや和紙工房」。エントランス
  には、立体的な紙漉き和紙を使用した照明器具、川のせせらぎの効果音も。
  「和紙のある生活」の常設展示スペース、展示館、紙漉き和紙の工房、研
  修室、喫茶室もあります。

   展示館では、オープン記念特別企画展「紙・言・葉(かみことば)」が
  開催されます。和紙の存在が日常生活の中にあまりにも埋没しすぎている
  ために、気のつかれていない魅力を新鮮かつ独創的に4名のアーチストが
  奏でます。

   清流日置川沿いに位置し、和紙の原料となる楮(こうぞ)や三椏(みつ
  また)に恵まれたこの町では、古くから紙漉きが盛んで、最盛期には20
  0軒もの生産者の数があったそうです。

   特に江戸時代になると、藩の御用紙として和紙づくりが手厚く保護され
  たこともあり、独自の製法が開発・進化されていきました。このことが、
  因州和紙の地位を築きました。

   その結果、「因州筆切れず」というように、いくら書いても筆の毛がち
  ぎれない、墨がずうっ〜といつまでも長くつづくという意味の誉め言葉も
  生まれたほどです。

   現在でも、青谷町の和紙は全国第1位の生産量、全国第2位の生産額を
  誇り、23の生産者が日々この特殊技法を駆使しながら、“因州和紙”の
  伝統を維持しています。

   JR青谷駅から約5キロ離れた山あいの中、来年統合予定の日置小学校
  の隣。日置谷の間に和紙生産者の集落があり、その集落の近くに建設され
  ました。

   なぜ、生産者集落の近くに建てられたのかと言うと、この建物は単に入
  館者の方に和紙に親しんでいただくだけではなく、和紙産業を中核とした
  町の振興が底辺にあるからです。和紙技術を研鑽できる和紙加工場もあり、
  地域の若者が直接紙漉きを体験し、技術の伝承を行える空間を併せ持つ施
  設なんです。

   館長は、元青谷高校校長の若木剛(ごう)館長。地元青谷町の関係者の
  熱い思いを絆され館長を引き受けました。「青谷町の和紙生産者のかたは
  半端じゃない。自分の生きざまとして、紙を漉いている。だから、跡を継
  ぐ若い人も増えていてね」。館長は淡々と、しかし自信に満ちた表情でこ
  う語りました。

   和紙組合青年部の方々は仕事が終わるとこの施設に集い、和紙漉きの技
  術を磨くことができます。この若い世代の力が、このすばらしい施設を土
  俵にして、全盛期のさながら「和紙街道」と呼ばれる賑やかさを再現させ
  てくれることでしょう。
                                (A)

    ○青谷町ホームページ
     http://www.town.aoya.tottori.jp/