●鳥取県のたたら製鉄を知る〜近藤家〜
鳥取県西南部に位置する日野町根雨(ねう)は、出雲街道と日野往来の
分岐点の宿場町として栄えた町で、現在も古き町並みを残す風情のある地
域です。
そして、山陰の鉄山稼業の「たたら製鉄」が盛んな地域でもありました。
たたら製鉄は、大量の砂鉄と木炭を原料に、炉の中で3日3晩燃して鉄
の塊が作られます。
日野川は砂鉄の宝庫のひとつであり、山の土砂を崩し水を流し所々に水
がたまる場所を作り採取していました。
日野地方では700年も昔から鉄鋼を生産していたようですが、江戸時
代から需要が高まり、備後から移住してきた近藤家の2代目喜兵衛が17
79年製鉄事業を起こし、輸入により鉄価が暴落する大正10年まで製鉄
されていました。
最盛期には、日野郡内の約3人に1人が、この近藤家の事業にかかわっ
ていたといわれ、「根雨の豪商」として知られています。現在も根雨の神
社や寺院には近藤家寄贈の鳥居などを見つけることができます。
2000年の鳥取西部地震で被災した近藤家の蔵から、古文書が文書箱
400個分、県立公文書館へ移され、一部公開されてきました。中には当
時の砂鉄採取や木炭の生産、製法の秘伝などが記録された書物や、作業風
景の貴重な写真などが多数あります。
たたら製鉄の古文書がまとまって存在しているのは、全国でもこの近藤
家だけということで、地元での公開が期待されていました。
来月6日に開催される、出雲街道の歴史を訪ねる会〜間地峠(まじとう
げ)の茶屋を復活〜に合わせてこの古文書の地元での一部公開が決定しま
した。
近藤家所蔵の古文書は全部で20万〜30万点ということで、定期的に
入れ替えをしながら、日野総合事務所では約20点、日野町図書館では約
30点の古文書と明治期の写真のパネルを合わせて展示します。
参勤交代の宿場町の代表の一つに数えられる近藤家、鳥取県の歴史探訪
もなかなか楽しいものですよ。
(K)
○出雲街道の歴史を訪ねる会〜間地峠の茶屋を復活〜
http://db.pref.tottori.jp/saizi17.nsf/June?OpenForm
○日野町ホームページ
http://www.town.hino.tottori.jp/dd.aspx
○日野郡のたたら展
とき:6月1日(水)〜27日(月)
場所:日野総合事務所(土・日曜日休み)
日野町立図書館(火曜日休館)