メールマガジンとっとり雑学本舗



第524号(2005.12.16)「とっとり豆知識」より

 ●犬挟峠

   今回は私の地元(旧関金町)にある犬挟峠(いぬばさりとうげ)につい
  てご紹介します。その前に関金ってどこ?というかたのため関金について
  簡単に説明すると、関金は県中部に位置し、人口は4000人強、温泉や
  梨などが有名でしょうか。今年の3月に倉吉市と合併しましたので今は倉
  吉市関金町です。
  
   さて、この関金と岡山との境に犬挟峠という峠があります。この峠、今
  は国道313号線が通り、関金町山口から下蒜山の東山麓を経て岡山県真
  庭市に抜けられます。

   昔は鳥取県側からの登り坂が急なことから「胸突き八丁の急坂」と呼ば
  れていたそうです。もっとも江戸時代は鳥取県側の伯耆と岡山県側の美作
  との国境のうちでは1番低かったため山陰と山陽を結ぶ幹線として重要な
  位置を占めていました。米やたばこの葉を乗せた馬が行き交っていたそう
  です。
  
   この峠の名前の由来は諸説ありますがいくつかご紹介しましょう。蒜山
  地方ではこの峠を「院走り峠」と呼び、鎌倉時代に後醍醐天皇が北条方に
  追われて通ったことに由来するとか。この「いんばしり」が「いんばさり」
  となり「いぬばさり」となったという説が一つ。
  
   二つめは4世紀ごろ、古墳時代に日本武尊が西国平定のため国境の矢筈
  ヶ山(やはずがせん:標高1359m、大山の北東に位置する)から「こ
  の矢のとどく限りの敵すべて従え」と言って矢を射ったところこれが峠に
  ささったことから「矢ばささり」となり、これが変化して犬挟となったと
  いう説。

   このほかにも「犬でも狭い」道だからだとか、狭くて急な峠で犬すら逃
  げる「犬ば去り」などの説があります。
  
   ところで、私は実家に帰った時によくドライブがてら犬挟峠を越えて岡
  山県の湯原温泉に行きます。現在は長いトンネルが造られるなど道路が整
  備されていて走りやすく、「胸突き八丁の急坂」もすいすい登れます。ち
  なみに湯原温泉は無料の露天風呂がありますよ。
  
   行程の途中、峠の手前に道の駅があります。犬挟峠に来たときはここで
  休憩をとるのが私の定番で、よく併設された食堂を利用します。メニュー
  には地元でとれたイワナを使った料理をはじめ色々あるのですが、中でも
  私のお薦めはわさび丼定食。関金特産のわさびを味噌と混ぜた「わさび味
  噌」がご飯によくあう逸品です。犬挟へ来られたときはぜひお試しくださ
  い。
  
   来年の戌年にちなんで犬挟峠を調べてみました。思ったより犬と関係が
  なさそうな峠でしたが日本武尊が登場するなど意外な歴史がありました。
  興味を持たれた方は一度足を運んでみてはいかがでしょう。
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