メールマガジンとっとり雑学本舗


第636号(2007年10月12日)「とっとり豆知識」より

 ●第5回鳥取県総合芸術文化祭メイン事業「倉吉・ダブルストーリー」

   県民による文化芸術の祭典「第5回鳥取県総合芸術文化祭」が現在開催
  中。県内各地でさまざまなイベントが行われています。
  
   今回のメイン事業は、11月11日(日)に倉吉未来中心で上演される
  県中部ゆかりの「淀屋」と「里見八賢士」をテーマにした創作舞台「倉吉
  ・ダブルストーリー」です。豪商淀屋の運命を「講談+和楽器」で、また
  里見忠義とその家臣たちの生涯を「オーケストラ+ドラマリーディング」
  でと、「語りと音楽」を融合させた独特なスタイルで表現しています。県
  内の文化活動者と一流の舞台人たちがプロデュースした魅惑的な舞台とな
  っています。
  
   テーマの一つ「淀屋」とは、「天下の台所・大坂」を繁栄に導いた最大
  の功労者。江戸時代始め、大坂に米市を開設し、湿地であった中之島を造
  成して仲買人たちのために「淀屋橋」を架けるなど商都大坂の基礎を築き、
  大坂とともに淀屋も成長していきました。
  
   4代・重当(しげまさ)のときには、日本中の米を集めて2時間で八十
  万両もの商いをするなど、日本屈指の大長者として西国の大名全てに莫大
  な資金を融通し、百万石の大大名に匹敵するほどの権力を持つようになっ
  ていました。そして、その強大な財力と権力が仇となり、1705年、5
  代・廣当(ひろまさ)のときに幕府によって闕所(けっしょ)、すなわち
  財産没収の憂き目に遭ってしまいます。しかし、倉吉出身の先代番頭・牧
  田仁右衛門(まきたじんえもん)の働きによって、倉吉の地に密かに暖簾
  を繋ぎ、闕所から約60年後に大坂で再興するに至ったといわれています。
  
   もう一方のテーマは「里見八賢士」。安房国(あわのくに)一国を領地
  としていた里見家は、関東屈指の石高を持つ外様大名でした。1603年、
  家督を相続した忠義は、老中であった大久保忠隣(ただちか)の孫娘を室
  として迎えていましたが、忠隣の失脚事件に連座し、1614年、伯耆国
  倉吉藩に流されます。そこでわずかな石高を与えられ、安房国から供をし
  てきた数少ない家臣たちと里見家の再興を志しながら過ごしましたが、そ
  の願いは叶えられることなく、1622年、29歳でこの世を去りました。
  
   そして、3か月後の忠義の命日に、8人の家臣が主人の後を追って殉死
  し、彼らの法名にはいずれも「賢」の字が与えられていました。このこと
  が彼らが『八賢士』と呼ばれる所以となったのです。江戸時代に曲亭(滝
  沢)馬琴によって書かれた「南総里見八犬伝」をご存じのかたは多いでし
  ょうが、このモデルの一つとされるのが彼らなのです。
  
   このたび、これら二つの物語が華麗な舞台によみがえります。「淀屋」
  「里見八賢士」とも、その歴史の真実はまだまだ謎に満ちていますが、そ
  こは創作の世界。笑いやフィクションを交え、倉吉との関わりが親しみや
  すく感じ取れるストーリーとなっています。皆さんもぜひご覧になってく
  ださい。
  
   また、今週末には、シンポジウム「未来への礎〜倉吉・ダブルストーリ
  ーにみる倉吉の歴史と発展」が、倉吉市西仲町の高田酒造酒蔵で開催され
  ます。舞台の時代背景や倉吉の歴史を考察しながら、今後のまちづくりや
  文化を考えようとするものです。舞台の公演に先立ち、あわせてお越しく
  ださい。
                               (UM)
    ○鳥取県立未来中心
     ※「倉吉・ダブルストーリー〜淀屋と八賢士の世界〜」公演情報
      がご覧いただけます。 
      http://www.miraichushin.jp

    ○シンポジウム
     「未来への礎〜倉吉・ダブルストーリーにみる倉吉の歴史と発展」
      ・日時   10月14日(日) 午後1時半から3時45分
      ・会場   高田酒造倉庫(倉吉市西仲町・店舗向い)
      ・問合せ先 鳥取県総合芸術文化祭中部地区企画運営委員会
            電話 0858−23−3186
      ・鳥取県総合芸術文化祭ホームページ
        ※新着情報をご覧ください
        http://www.artsfriend.com/sogeisai/