第650号(2008年01月25日)「とっとり豆知識」より
●鳥取砂丘の素朴な疑問
「鳥取砂丘は東西16キロメートル、南北2キロメートル、最大高低差
92メートル。スケール感溢れる日本有数の砂丘です」これは、鳥取県の
広報、観光に携わる者が、鳥取砂丘を紹介する際、一般に使っている紹介
文です。(東西16.1キロメートル、南北2.4又は2.2キロメート
ル、最大高低差90.91メートルという記載も見られます。)
筆者も何度も何気なく使ってきましたが、ある日フッと疑問がわいてき
ました。「東西」がどこからどこまでの距離なのかはパンフレット等あち
こちに記載されているものの、はて「南北」「高低差」っていったいどこ
からどこまでなのかという素朴な疑問です。「鳥取県文化観光事典」など
ざっと調べてみましたが、明快な記載に行き当たりません。
鳥取砂丘については、専門家のかたも多くおられ、文献やパンフレット
なども溢れています。この疑問についても自分が知らないだけかもと、少
しためらいましたが、「いや、同じ疑問を持っている人もいるはず」と思
い直し、調べてみることにしました。
まずは東西16キロメートルについて。東は鳥取市福部町岩戸の岩戸海
岸、西は白うさぎ伝説で有名な白兎海岸の西端の気多岬ということで、こ
れは多くの文献に書かれており、間違いなさそうです。
次に南北については、「鳥取県大百科事典(新日本海新聞社、1984
年発行)」に、「南北幅は湖山砂丘が最大で2キロ余り」とあります。湖
山砂丘とは、鳥取砂丘の鳥取市湖山周辺部の名称ですが、具体的に「どの
辺りが最大幅か」は書かれていません。この点「鳥取砂丘(毎日新聞社、
1958年発行)」という本に添付された砂丘の地図からは、現在の鳥取
大学周辺ではないかと推測できます。
鳥取大学の正面から少し大学構内に入った辺りがちょうど「海岸線から
2キロ」地点となります。「湖山池は砂丘により閉塞されてできた池」と
いう説もあり、「最大幅2.4キロメートル」という記載の場合は、さら
に南下し湖山湖岸までを指しているのかも知れません。
また現在、鳥取湖陵高校のある鳥取大学の北側丘陵地は砂丘列の名残と
いうことですが、周辺一帯は宅地、商業地となり、砂丘の面影はもう残っ
ていません。けれども良く見ると、畑地、墓地周辺などが砂地で、かつて
の姿をわずかに見ることができます。
ちなみに観光スポットとしてお馴染みの砂丘の南北幅は、海岸線から砂
丘道路までの距離を地図上で計ったところ、1.4キロメートル位のよう
です。
続いて最大高低差です。海岸線を「低」の起点とした場合、一番高いの
は標高90メートル強の地点ということになります。「鳥取砂丘調査報告
書(第二集)(鳥取県教育委員会、1964年発行)」には、「最も高い
地点は浜坂砂丘の91.5メートル」と書かれていますが、具体的な場所
は示されていません。浜坂砂丘とは、前出の湖山砂丘同様、鳥取砂丘の部
分名称で、馬の背のある観光エリア一帯を言います。
一方「鳥取砂丘(牧野出版社、1975年発行)」という本に掲載され
ている海岸線から鳥取市浜坂に至る断面図に「砂丘標高90メートル」と
読み取れる記載があることから、概ね「鳥取砂丘こどもの国」の後背丘陵
地辺りが最高地点ではないか、と推察されます。地図を眺めると、この辺
りに標高94.8メートルの小山があり、この頂上付近まで砂が到達して
いるということでしょう。
以上が筆者が調べた範囲での説明です。結果的にスッキリとした「疑問
解決」には至りませんでした。読者のかたで、より確実なことを御存知の
かたはぜひ広報課までお知らせください。改めてご紹介したいと思います。
(GU)